キャンプを始めて「IGT」という言葉をよく見かけるようになったけど、実際どんなものなんだろう?と思っている方も多いのではないでしょうか。
特に「IGTバーナー」って何が違うの?スノーピークのフラットバーナーってどんな特徴があるの?と気になっている方に向けて、この記事ではIGTバーナーの基本から、代表的なモデルであるスノーピーク「フラットバーナー(GS-450R)」の特徴、使い方、選び方のポイントまでをわかりやすく解説していきます。
IGTバーナーとは?
まず「IGT」とは、スノーピークが提唱するモジュール式テーブルシステム「アイアングリルテーブル」の略称です。このシステムの最大の特徴は、テーブルの天板部分がユニット(1ユニット=約25×36cm)単位で構成されており、その空いたスペースに様々なギアを組み込めることです。
「IGTバーナー」とは、このIGTテーブルに組み込んで使うことを前提に設計されたバーナーの総称です。テーブルとバーナーが一体になることで、調理スペースを広く確保でき、見た目もスッキリするのが大きな魅力です。
IGTバーナーには主に以下の3つのタイプがあります。
- IGTフレームに直接組み込むタイプ:バーナー本体がテーブルと完全にフラットになり、安定感が抜群です。スノーピークのフラットバーナーがこのタイプの代表格です。
- 天板に置いて使うタイプ:既存のIGT天板の上にバーナーをセットするタイプで、手軽に導入できるのがメリットです。
- 専用ラックにセットするタイプ:IGTフレームに取り付けるラックにバーナーを載せる方式で、様々なバーナーを流用できます。
これらのタイプがあるので、自分の使い方や好みに合わせて選ぶことができます。
スノーピーク「フラットバーナー(GS-450R)」の特徴
IGTバーナーの中でも、最も有名で人気なのがスノーピークの「フラットバーナー(GS-450R)」です。ここではその特徴を詳しく見ていきましょう。
IGTテーブルと一体化するデザイン
フラットバーナーの最大の特長は、その名の通り、バーナーヘッドがテーブル上面とフラット(水平)になることです。これにより、テーブルの上にバーナーが突き出て邪魔になることがなく、料理の移動や作業がしやすくなります。
高い耐風性と火力
バーナーヘッドがテーブルに埋め込まれる形状のため、風の影響を受けにくい構造になっています。これにより、安定した火力を維持しやすく、アウトドアでの調理が快適になります。火力は3,000kcal/hと強力で、様々な料理に対応できるパワーを持っています。
単体でも使用可能
「IGTテーブルを持っていないけど、フラットバーナーって使えるの?」という疑問を持たれる方もいるでしょう。答えは「使えます」。フラットバーナーには脚が付属しているため、脚を取り付ければ単体のシングルバーナーとしても使用可能です。まずは単体で使ってみて、後からIGTテーブルを導入する、というステップも可能です。
メンテナンス性の高さ
フラットバーナーは、バーナーヘッドや風防(汁受け)などの主要パーツが分解できる設計になっています。そのため、使用後に汚れが気になる部分だけをピンポイントで洗ったり、メンテナンスすることが可能です。2021年8月以降のモデルでは、風防(汁受け)の材質がステンレスに変更され、より耐久性とメンテナンス性が向上しています。
フラットバーナーの基本スペックと仕様
ここで、フラットバーナー(GS-450R)の基本的なスペックを確認しておきましょう。
- サイズ:270×410×110mm(ホース、器具栓を除く)
- 重量:1.9kg(収納ケースを除く)
- カロリー:3,000kcal/h
- 対応鍋径:Φ23cm以下
- 使用燃料:スノーピーク ギガパワーガス(OD缶専用)
- 対応品番:GP-500GR、GP-250GR、GP-500SR、GP-250SR
- 燃焼時間の目安:
- GP-500GR(500g缶)で約210分
- GP-250GR(250g缶)で約110分
対応鍋径がΦ23cm以下と規定されているため、大きなダッチオーブンなどを使う場合は注意が必要です。公式にはダッチオーブンの使用は推奨されていませんので、その点はあらかじめご承知おきください。
IGTテーブルへの組み込み方
フラットバーナーをIGTテーブルに組み込むには、いくつかのポイントがあります。
必要なもの
- フラットバーナー本体
- IGTフレーム(例:CK-080 エントリーIGT、CK-180 IGTスリムなど)
- 付属の「器具栓ホルダー」
組み込み手順
- フラットバーナーに付属している脚を外します。
- IGTフレームの該当するユニットスペースに、バーナーを下からセットします。
- 付属の「器具栓ホルダー」を使用し、バーナーをフレームに固定します。
- ガス缶を接続し、火をつけて動作確認をします。
ポイントは、脚を外さないとフレームに収まらないということです。逆に言えば、脚を外すだけでIGTフレームにビルトインできるよう設計されています。対応するIGTフレームはCK-080(エントリーIGT)、CK-180(IGTスリム)、CK-090(エクステンションIGT)などです。
フラットバーナーのメリット
ここでは、実際にフラットバーナーを使うメリットを整理します。
調理スペースを最大限に活用できる
バーナーがテーブルと一体化することで、テーブルの上のスペースを無駄なく使えます。特に複数人での料理や、複数の調理器具を並べたい場合に、その広さが役立ちます。
安定感が抜群
脚を外してフレームに固定するため、バーナーがぐらつくことがありません。重い鍋を載せても安定しており、料理に集中できます。
見た目がスタイリッシュ
IGTシステム全体の統一感のあるデザインは、キャンプサイトの雰囲気を格段に上げてくれます。機能的でありながら美しいのも、スノーピーク製品の魅力のひとつです。
フラットバーナーのデメリット
メリットがある一方で、デメリットも理解しておくことが大切です。
収納サイズが大きい
重量は1.9kgと、一般的なシングルバーナーと比べて決して軽くはありません。また、収納サイズもかさばるため、車載スペースに余裕が必要です。「コンパクトさ」を最優先するソロキャンパーには向かないかもしれません。
価格が高い
スノーピーク製品全般に言えることですが、価格は一般的なバーナーと比較すると高価です。IGTテーブル本体も合わせて揃えるとなると、それなりの初期投資が必要になります。
公式にダッチオーブンが使えない
前述の通り、対応鍋径の制限から、大きなダッチオーブンは公式には非推奨です。ダッチオーブン料理をメインに考えている方は、他の選択肢を検討するか、自己責任での使用を覚悟する必要があります。
フラットバーナーが向いている人・向いていない人
向いている人
- IGTシステムを導入して、スマートなキャンプスタイルを目指したい人。
- 安定した調理環境を重視する人。
- スノーピーク製品のデザインや品質に魅力を感じる人。
- テーブル上の調理スペースを広く使いたい人。
向いていない人
- とにかく荷物をコンパクトにしたいソロキャンパー。
- 初期費用をできるだけ抑えたい人。
- 大きなダッチオーブンを頻繁に使いたい人。
フラットバーナーを使う上での注意点
ガス缶は純正品を推奨
フラットバーナーはOD缶(アウトドア用ガス缶)を使用します。スノーピークからは「ギガパワーガス」シリーズが販売されており、安定した火力と安全性を考えると純正品の使用が推奨されます。寒い時期には、プロパンガス配合の「GP-500SR/GP-250SR」(通称:金缶)が特に威力を発揮します。
カスタムは自己責任で
フラットバーナーは分解が可能で、五徳を交換したり、OD缶からCB缶(カセットガス缶)に変換するアダプターを使用したりと、カスタムしているユーザーもいます。しかし、これらのカスタムはすべて自己責任であり、メーカー保証が受けられなくなる可能性があります。公式情報ではない情報に惑わされず、自己判断で行うようにしましょう。
粗悪な互換品に注意
IGTバーナーの人気に伴い、スノーピーク以外のメーカーからも互換性を謳った製品が多数販売されています。しかし、中には品質が著しく低く、点火不良や火力調整不良、さらには火災の危険性が指摘されているものもあります(一部のAmazonレビューでは「爆発寸前」といった声も見られます)。安全性を最優先するなら、実績のある純正品や信頼できるブランドの製品を選ぶことを強くおすすめします。
よくある疑問
Q1. IGTテーブルがなくてもフラットバーナーは使えますか?
A. はい、使えます。 付属の脚を取り付ければ、一般的なシングルバーナーとして使用できます。
Q2. どのガス缶を使えばいいですか?
A. スノーピークのギガパワーガス(OD缶)シリーズが対応しています。寒い時期はプロイソガス(金缶)がおすすめです。
Q3. ダッチオーブンは使えますか?
A. 公式には非推奨です。対応鍋径はΦ23cm以下とされているため、大きなダッチオーブンは使用できません。使用する場合は自己責任となります。
Q4. 収納ケースはありますか?
A. 公式の専用ケースもありますが、一部のユーザーはノートパソコン用のケースを流用して収納している例もあるようです。
IGTバーナーの選び方のポイント
フラットバーナー以外のIGTバーナーを検討する場合、以下のポイントをチェックするとよいでしょう。
1. 燃料の種類(OD缶かCB缶か)
- OD缶(アウトドア用ガス缶):寒さに強く、火力が安定しているのが特徴です。フラットバーナーはこちらです。
- CB缶(カセットガス缶):コンビニなどでも手軽に購入でき、コストが安いのがメリットです。ただし、OD缶に比べて寒さに弱い傾向があります。
2. タイプ(組み込み式、天板設置式、ラック設置式)
- 組み込み式:フラットバーナーのようにテーブルに埋め込むタイプ。安定感とデザイン性が最も高い。
- 天板設置式:IGTの天板の上に載せるタイプ。導入が手軽で、バーナー自体を別の用途にも使える。
- ラック設置式:フレームに専用ラックを取り付け、その上に既存のバーナーを載せるタイプ。手持ちのバーナーを活用できる。
3. 安全性と信頼性
何より大切なのは安全性です。安価な互換品は、思わぬ事故につながるリスクがあります。口コミだけを信用せず、公式の情報や信頼できる専門メディアのレビューを参考にしましょう。
まとめ
この記事では、IGTバーナーの基本と、その代表格であるスノーピーク「フラットバーナー(GS-450R)」の特徴を中心に解説してきました。
IGTバーナーは、IGTテーブルと組み合わせることで、従来のキャンプスタイルにはない「テーブルと一体化した調理環境」を実現するアイテムです。特にフラットバーナーは、その高い安定性や使いやすさから、多くのキャンパーに支持され続けています。
一方で、収納サイズが大きい、価格が高い、公式にダッチオーブンが使えないといったデメリットや注意点があることも事実です。そして何より、安全性の面から、粗悪な互換品には十分に注意する必要があります。
購入を検討する際は、この記事で紹介したメリット・デメリットや選び方のポイントを参考に、自分のキャンプスタイルに合った一本を見つけてください。価格や仕様は変更される可能性がありますので、購入前に必ず公式サイトや販売ページで最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

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