UniGearを検索しているあなたが知りたいことは、「どのモデルを選べばいいのか」そして「生産終了モデルと現行モデルを間違えないか」だと思います。結論から言うと、2026年現在で新規導入できるUniGearの現行モデルはZS1、ZS2、ZS3.2、MCCの4シリーズです。そして、UniGear 550とUniGear 500Rは2025年3月と7月に生産終了(ABBの”Classic”ステータスに移行)しています。この点は日本語の情報がまだ少ないので、まず最初に押さえておきましょう。
この記事では、ABB公式の最新情報(2026年更新)をもとに、各モデルの具体的なスペック比較と実践的な選び方を紹介します。「VD4真空断路器と組み合わせた空気絶縁型配電盤」という基本はそのままに、最近話題のデジタルソリューションや環境対応(SF₆フリー設計)にも触れながら、あなたのプロジェクトに最適なUniGearが見つかるよう整理しました。
UniGearシリーズとは?まずは基本をおさらい
UniGearはABBが提供する中圧配電盤のシリーズで、主に空気絶縁型(AIS: Air Insulated Switchgear)に分類されます。ガス絶縁型(GIS)と違って絶縁媒体にSF₆ガスを使わない設計が特徴で、近年は環境規制の強化に伴い「SF₆フリー」という点が改めて注目されています。
このシリーズの大きな強みは、モジュール設計による柔軟性です。単母線・複母線はもちろん、Duplexや2段母線といった特殊な構成にも対応でき、定格電圧は12kVから40.5kVまで、定格電流は最大4000A、短時間耐電流は最大63kAという幅広いラインナップを誇ります。ABBの発表によると、2024年12月時点で全世界の導入実績は70万台超に達しており、2026年現在では75万台以上と見られます(ABB公式製品ページより)。これだけの導入実績があるということは、それだけ信頼性が検証されてきた証拠ですね。
2026年現在、新規導入できるUniGearはこれだ!
ここからが本題です。2026年7月現在、ABBが新規受注を受け付けているUniGearシリーズは以下の4つです。
- UniGear ZS1(24kV級・主力モデル)
- UniGear ZS2(36kV級)
- UniGear ZS3.2(40.5kV級)
- UniGear MCC(モーター制御センター向け)
このうち、特に多くのプロジェクトで採用されるのがUniGear ZS1です。データセンターや公益事業、海洋プラットフォーム、発電所、鉄道、病院まで、幅広い分野で使われており、DNVやLloyd’s Registerといった船級協会の認証も取得可能な点が他のモデルと一線を画します。
一方、UniGear ZS2は風力発電所や変電所、港湾・空港インフラ向け、UniGear ZS3.2は発電・配電・消費のあらゆるシステムで使える汎用性の高さが魅力です。そしてUniGear MCCは、化学プラントや石油・ガス、鉱業など、モーター制御が重要な重工業分野で真価を発揮します。コンタクタの機械的動作回数が100万回に対応している点も特筆すべきポイントです(ABB公式サイトより)。
【要注意】UniGear 550と500Rは2025年に生産終了しました
ここで重要なのは、UniGear 550とUniGear 500Rはすでに新規導入できないという点です。ABB公式サイトのUniGear Portfolioページ(2026年更新)には、これら2モデルが”gone to classic”と明記されています。
- UniGear 550: 2025年3月にClassic移行
- UniGear 500R: 2025年7月にClassic移行
「Classic」とはABBの製品ライフサイクルにおいて、新規販売を終了し、既存ユーザー向けのサポートと保守部品の供給のみに移行したフェーズを指します。つまり、2026年現在、新規プロジェクトでUniGear 550や500Rを選ぶことはできません。もしあなたがこれらのモデル名で検索してこの記事にたどり着いたなら、代わりにUniGear ZS1(特に500mm幅の狭幅モデル)を検討するのが正解です。
この情報は日本語のWeb記事にはほとんど反映されていないため、この記事を読んでいるあなたはすでに一歩先を行っています。
どれを選べばいい?モデル別スペック徹底比較
ここで、各モデルの主要スペックを一覧表にまとめました。選定の際には、この表を基準に検討を進めてください。
| 比較軸 | UniGear ZS1 | UniGear ZS2 | UniGear ZS3.2 | UniGear MCC |
|---|---|---|---|---|
| 最大定格電圧 | 24 kV | 36 kV | 40.5 kV(要望で46 kV) | 12 kV |
| 最大連続電流(母線) | 4,000 A | 3,150 A | 3,150 A | 4,000 A(母線)/ 400 A(フィーダ) |
| 最大短時間耐電流 | 63 kA | 31.5 kA / 3s | 31.5 kA / 4s | 50 kA |
| 母線構成オプション | 単母線・複母線・Duplex・2段 | 単母線・Duplex | 単母線のみ | 単母線のみ |
| 筐体幅(最小) | 500 mm | (公表なし) | 1,200 mm | 400 mm |
| 準拠規格(主要) | IEC / GB / DL / GOST / 船級協会(DNV/Lloyd/RINA/BV/ABS) | IEC | IEC / GB / DL / GOST | IEC / GOST / GB / DL |
| 代表的な適用産業 | データセンター・公益事業・海洋・原子力・石油ガス・鉄道 | 公益事業・重工業・データセンター・再生可能エネルギー・インフラ | 公益事業・再生可能エネルギー(汎用性高) | 化学・石油ガス・鉱業・食品飲料 |
| 特徴的な認証・仕様 | 耐震・船舶認証あり | 真空/SF6断路器相互交換可能 | GB規格対応(中国向け) | コンタクタ寿命100万回 |
| 生産状況(2026年7月時点) | 現行モデル | 現行モデル | 現行モデル | 現行モデル |
(出典:ABB公式サイト「UniGear Portfolio」https://new.abb.com/medium-voltage/switchgear/air-insulated/iec-and-other-standards/unigear-portfolio より作成、2026年更新)
この表から、実践的な選び方の指針が見えてきます。
電圧レベルでざっくり選ぶなら
- 12kV以下で済む → UniGear MCC(モーター制御が主目的の場合)
- 12〜24kV → UniGear ZS1(最も選択肢が広い)
- 24〜36kV → UniGear ZS2
- 36kV超 → UniGear ZS3.2
より具体的な判断基準
- 高い短絡容量(63kA)が必要 → ZS1一択です。鉄鋼プラントや大電力を扱う施設ではこの数値が求められることがあります。
- 船舶・海洋プラットフォーム・耐震要件がある → こちらもZS1のみが対応可能です。船級協会の認証が必要なプロジェクトでは、ZS1以外選択肢がありません。
- 省スペースが最優先 → 最小幅400mmのMCCか、500mm幅モデルのZS1が候補になります。ただしZS1の500mm幅モデルは一部の電圧・電流範囲で制限がある点に注意してください。
- モーター制御が主目的 → 専用設計のMCCを選びましょう。100万回の機械的寿命は、過酷な運用環境で大きなアドバンテージになります。
UniGear Digitalでここまで変わる!デジタル化のメリット
最近のUniGearシリーズでは、UniGear Digitalというデジタルソリューションが標準化されつつあります。これはIEC 61850通信プロトコルに対応し、ABB Abilityクラウドプラットフォームと連携することで、遠隔監視や状態診断が可能になる仕組みです。
具体的な効果として、ABBの発表(2023年10月)では以下のような数値が示されています。
- 従来のUniGear ZS1と比較して納期を30%短縮
- 14台のUniGear ZS1配電盤を30年運用する典型的な変電所と比較して、エネルギー損失を最大250MWh削減(約13,000ユーロ相当)
- 同じ条件でCO2排出量を最大150トン削減(欧州の中型車で125万km走行分に相当)
(出典:ABB公式サイト「UniGear Digital」https://new.abb.com/control-systems/fieldbus-solutions/electrical-substations/intelligent-mv-switchgear)
これらの数値はあくまで「最大」効果ではありますが、デジタル化による運用効率の向上が具体的な数字で示されている点は見逃せません。特に長期的なランニングコストや環境負荷を考慮するプロジェクトでは、UniGear Digitalの導入を前提にした検討がおすすめです。
環境規制にも対応!SF₆フリー設計の重要性
UniGearが空気絶縁型であることのメリットは、絶媒にSF₆ガスを使わない点にあります。SF₆は優れた絶縁性能を持つ一方で、地球温暖化係数(GWP)がCO₂の約23,500倍という強力な温室効果ガスです。
近年、EUを中心にFガス規制が強化されており、SF₆を使用するGIS(ガス絶縁型配電盤)は将来的に使用制限がかかる可能性が指摘されています。そうした流れの中で、AISであるUniGearは「SF₆フリー」という環境対応の観点からも再評価されています。
ABB公式サイトでも「SF₆-free design aligned with evolving regulations」と明記されており(UniGear Portfolioページ)、規制の変化に対応した設計であることを強調しています。この点は、中長期的な設備計画を考えるうえで重要な判断材料になるでしょう。
保守・メンテナンスの実務ポイント
UniGearシリーズは「メンテナンスが容易」とよく言われますが、実務的には以下の点がポイントになります。
- 前面からの保守アクセスが基本設計に組み込まれており、壁際設置でもメンテナンスが可能です。
- VD4真空断路器は長寿命設計で、一般的な点検サイクルは運用条件によりますが、大規模なオーバーホールの頻度は比較的少なく済むとされています。
- 各モデルとも交換部品の標準化が進んでおり、在庫管理の面でもメリットがあります。
ただし、2025年に生産終了したUniGear 550と500Rについては、新規の部品供給が限定的になる可能性があります。既にこれらのモデルを運用中の場合は、早めに保守計画を見直すことをおすすめします。
まとめ:あなたのプロジェクトに最適なUniGearを選ぶために
UniGearシリーズは、空気絶縁型配電盤のスタンダードとして世界中で75万台以上の導入実績を誇る信頼性の高い製品群です。2026年現在、新規導入できるモデルはZS1・ZS2・ZS3.2・MCCの4シリーズであり、UniGear 550と500Rは2025年に生産終了している点が最も重要な最新情報です。
選定の際には、以下の3つのポイントを優先的に検討してください。
- 必要な電圧・電流・短絡容量はどれか(スペック表で一覧比較)
- 設置スペースや認証要件(船舶・耐震など)はあるか
- デジタル化や環境対応(SF₆フリー)は将来的に必要か
これらの条件をクリアするモデルが必ず見つかるはずです。もしUniGear 550や500Rを検討中だった場合は、代替としてUniGear ZS1の500mm幅モデルを真っ先に候補に入れてください。
UniGearは単なる配電盤ではなく、デジタル技術と環境対応を融合した未来志向のプラットフォームへと進化し続けています。この記事が、あなたのプロジェクトにおける機器選定の一助となれば幸いです。
【おすすめUniGear関連製品】
UniGear ZS1
中圧配電盤のスタンダードモデル。24kV・4000A・63kAまで対応し、船舶認証や耐震要件にも対応できる汎用性の高さが魅力です。データセンターから重工業まで、最も多くのプロジェクトで選ばれている主力モデルです。
UniGear MCC
モーター制御に特化したモデルで、化学プラントや鉱業などの過酷な環境で真価を発揮します。コンタクタの機械的寿命が100万回と非常に高い耐久性を持ち、稼働率が求められる現場に最適です。
UniGear Digital
既存のUniGearに後付け可能なデジタルソリューション。IEC 61850対応の通信機能とクラウド連携により、遠隔監視や予防保全が実現します。CO2削減効果も定量的に示されており、環境経営にも貢献します。
VD4
UniGearシリーズのコアコンポーネントである真空断路器。高い遮断性能と長寿命設計で、配電盤の信頼性を支える重要なデバイスです。UniGearとの組み合わせで真価を発揮します。

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