キャンプでタープを張るときに「小川張り(おがわばり)」という言葉を聞いたことはありませんか?なんだかかっこいい名前ですが、実際にはどんな張り方で、どんなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、小川張りの基本的な意味から名前の由来、メリット・デメリット、そして実際の設営方法までをわかりやすく解説します。これから小川張りに挑戦してみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
小川張りとは?基本の定義
小川張りとは、キャンプ用のタープとテントを連結させて設営する方法のひとつです。具体的には、テントのフライシート(外張り)とタープの端を、専用の「セッティングテープ」やガイロープ(張り綱)でつなぎ、ひとつのまとまった居住空間を作り出します。
この張り方を採用すると、テントとタープの間に隙間がなくなり、雨天時でも濡れずに行き来できるのが大きな特徴です。また、タープをテントの一部のように一体化させることで、サイト全体をコンパクトにまとめることができます。
名前の由来は?「小川張り」はメーカー公式名称ではない
ここでひとつ、よくある誤解を解いておきましょう。「小川張り」という名前は、アウトドアブランドの「ogawa(オガワ)」が公式に発表した設営方法の名称ではありません。
実はこの呼び名、日本のキャンプシーンで自然発生的に広まった造語です。そのきっかけとなったのが、ogawa社(現キャンパルジャパン)が販売していた「システムタープヘキサDX」という製品でした。このタープには「セッティングテープ」と呼ばれる専用ベルトが付属しており、これを使ってテントとタープを連結させる画期的な方法が採用されていました。
この張り方に感銘を受けたキャンパーやアウトドアメディアの関係者が、「ogawaのタープを使った張り方」という意味を込めて「小川張り」と呼び始めたのが広まったと言われています。そのため、現在ではogawa製品以外のタープを使う場合でも、同じような連結設営法を「小川張り」と呼ぶのが一般的になっています。
小川張りのメリット
小川張りには、通常のタープ設営にはないいくつかのメリットがあります。代表的なものを3つ紹介します。
1. 雨天時でも快適に移動できる
最大のメリットは、雨の日でもテントとタープの間を濡れずに行き来できることです。通常の設営では、テントとタープの間にどうしても隙間ができてしまい、その部分が雨にさらされます。しかし小川張りでは両者がしっかり連結されているため、荷物の出し入れや食事の準備をする際にも、雨に濡れるストレスが大幅に軽減されます。
2. サイトスペースを有効活用できる
テントとタープを一体化させることで、敷地全体を効率的に使えます。タープ下のリビングスペースとテント内の寝室が直結するため、動線が短くなり、限られたサイトでも広く感じられるようになります。特にファミリーキャンプやグループキャンプで、コンパクトにまとめたい場合に重宝します。
3. 見た目がかっこいい
贅沢なようですが、これも意外と大事なポイントです。テントとタープが美しく一体化したシルエットは、サイト全体に統一感を与え、写真映えもします。キャンプ上級者のような雰囲気を演出できるのも、小川張りが人気を集める理由のひとつです。
小川張りのデメリットと注意点
メリットがある一方で、小川張りには必ず知っておくべきデメリットや注意点もあります。
耐風性能が低くなる
小川張りは、通常のタープ設営と比べて風に弱くなる傾向があります。タープとテントが連結されていることで、風の受け方が変わり、タープ全体が煽られやすくなるためです。強風時にはポールが折れたり、タープが飛ばされたりするリスクが高まります。
そのため、強風が予想される日には小川張りを避け、通常の張り方にするか、そもそもタープの使用自体を控える判断も必要です。特に海岸や高原など風の通り道になりやすい場所では、天候をよく確認してから設営を決めましょう。
設営にやや手間がかかる
通常のタープ設営に比べて、テントとタープの位置合わせや連結作業が増えるため、設営時間は長くなりがちです。特に初めての場合は、慣れるまでに何度か試行錯誤が必要かもしれません。とはいえ、コツを掴めばそこまで難しい作業ではないので、まずは自宅の庭や公園などで練習してみることをおすすめします。
すべてのテント・タープに適しているわけではない
小川張りは、基本的にはどのような組み合わせでも実践不可能ではありませんが、テントの大きさや形状によっては適さない場合もあります。たとえば、テントのフライシートが極端に大きい場合や、タープの形状が特殊な場合は、うまく連結できないこともあります。初めて挑戦するときは、事前に自宅で仮設営してみると安心です。
小川張りの実際の設営方法
ここからは、実際に小川張りを設営する手順を解説します。ここでは、専用のセッティングテープを使う方法を基本とし、それをガイロープで代用する方法も合わせて紹介します。
必要なもの
- ワンポールテント(またはドームテント)
- ヘキサタープ(六角形のタープ)またはレクタタープ(長方形のタープ)
- セッティングテープ(専用ベルト)またはガイロープ
- ポール(タープ用、テント用それぞれ)
- ペグ(杭)
- ハンマー
基本的な設営手順(セッティングテープを使う場合)
- まずテントを設営する
通常通り、テントを張ります。このとき、テントの出入口がタープを張る方向を向くように配置するのがポイントです。 - テントの後方ポールを高めに立てる
テントの後ろ側(出入口の反対側)のポールは、できるだけ高く(最大長に近く)立てます。こうすることで、あとでテントとタープの高さを合わせやすくなります。 - タープを広げ、位置を決める
テントの出入口側にタープを広げます。タープのセンターがテントの中心と合うように、位置を微調整しましょう。 - セッティングテープでテントとタープを連結する
テントのフライシート後方と、タープの端にあるループ(またはガイロープ用の金具)をセッティングテープでつなぎます。このとき、テープの長さを調整して、テントとタープの間に隙間ができないようにします。 - タープのポールを立てる
タープのメインポールを立てます。タープの高さは、テントの後方ポールと合わせるように調整すると、全体のバランスが良くなります。 - ペグで固定する
タープの各ポイントをペグでしっかりと地面に固定します。このとき、ガイロープは適度に張りを効かせて、タープがたるまないようにしましょう。 - 全体のバランスを確認する
最後に、テントとタープの連結部分に無理な力がかかっていないか、タープの張り具合は適切かをチェックします。必要に応じて、ペグの位置やテープの長さを微調整してください。
ガイロープで代用する方法
セッティングテープが手元にない場合は、手持ちのガイロープで代用することも可能です。この場合、ロープワーク(結び方)の知識が必要になりますが、専用テープを購入しなくても試せるのがメリットです。
やり方は簡単で、テントのフライシート後方とタープの端のループを、ガイロープで直接結ぶだけです。ただし、強度面では専用テープに劣る可能性があるため、風が強い日には向きません。また、ロープの長さを調整しやすいように、カラビナを使うとより簡単に連結できます。
小川張りはどんな人に向いている?
小川張りは、特定のスタイルや目的に合ったキャンパーにおすすめです。以下のような人に向いています。
- 雨天時の快適さを重視する人
- サイトをコンパクトにまとめたい人
- タープとテントの一体感を楽しみたい人
- 写真映えする設営をしたい人
一方で、以下のような人にはあまり向いていないかもしれません。
- 設営時間をできるだけ短縮したい人
- 強風の季節や風の強い場所でキャンプをよくする人
- タープ単体での使い方をメインにしたい人
自分がどのタイプに当てはまるか、よく考えてから導入を検討してみてください。
よくある質問
Q. セッティングテープがなくても小川張りはできますか?
はい、できます。ガイロープで代用することが可能です。ただし、専用テープに比べると強度面で劣るため、風の強い日は避けたほうが無難です。まずはガイロープで試してみて、頻繁にやるなら専用テープを購入するのも手です。
Q. どんなテントとタープでも小川張りはできますか?
基本的には可能ですが、テントの形状やサイズによっては適さないこともあります。特に、ワンポールテントとヘキサタープの組み合わせが最もやりやすいとされています。初めて挑戦するときは、自宅で仮設営して確認すると安心です。
Q. 強風の日でも小川張りは大丈夫ですか?
小川張りは風に弱い傾向があります。強風が予想される日は、通常の張り方にするか、タープの使用自体を控えることをおすすめします。安全第一で判断してください。
小川張りをマスターしてキャンプをもっと快適に
小川張りは、一度コツを掴めばキャンプの快適さを格段にアップさせてくれる設営方法です。名前の由来はogawaブランドにありますが、今ではどのメーカーのタープでも実践できる汎用性の高い張り方として親しまれています。
メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、天候や自分のスキルに合わせて取り入れてみてください。まずは風の弱い日に、自宅の庭や近所の公園で練習するのがおすすめです。
小川張りをマスターすれば、タープ設営の幅がぐっと広がり、キャンプの楽しみ方もさらに深まるはずです。

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