ダッチオーブンを買ったはいいけど、「シーズニングって何?」「どうやればいいの?」と戸惑っていませんか?
シーズニングは、ダッチオーブンを長く使い続けるために欠かせない大切な前処理です。正しく行えば、錆びにくくなり、料理の焦げ付きも防げます。
この記事では、シーズニングの目的から具体的な手順、初心者がやりがちな失敗まで、わかりやすく解説していきます。
ダッチオーブンのシーズニングとは?なぜ必要なのか
シーズニングとは、ダッチオーブンの表面に油を焼き付けて、保護膜を作る作業のことです。
ダッチオーブンは鋳物でできているため、そのままの状態だと空気中の水分に触れて錆びやすくなります。また、表面がざらついているので、食材が焦げ付きやすくもなります。
シーズニングを行うことで、油が加熱によってポリマー化(油の分子が結合して固い皮膜になる現象)し、表面をコーティングします。これにより、以下のような効果が得られます。
- 錆びにくくなる
- 焦げ付きにくくなる
- 食材の風味がよくなる
- 耐久性が上がる
つまり、シーズニングはダッチオーブンを「料理に使いやすい状態」に仕上げるための、いわば下準備なのです。
シーズニングの準備:必要なもの
シーズニングを始める前に、以下のものを用意しましょう。
- ダッチオーブン本体(新品でも中古でもOK)
- 中性洗剤
- スポンジや柔らかい布
- キッチンペーパーや布巾
- 植物油(キャノーラ油やグレープシードオイルがおすすめ)
- オーブンまたはコンロ
油は何でもいいわけではありません。発煙点(油が煙を出し始める温度)の高い植物油が適しています。オリーブオイルは発煙点が低いため、シーズニングには向いていません。べたつきの原因になることがあります。
ダッチオーブンのシーズニング手順
ここからは、実際のシーズニングの手順を詳しく説明します。
ステップ1:しっかり洗う
新品のダッチオーブンには、輸送中に付いた防錆剤やほこりが表面に残っています。まずは中性洗剤とスポンジで丁寧に洗い流しましょう。
このとき、鍋全体をしっかり洗ってください。蓋も忘れずに。
洗い終わったら、水気を完全に拭き取ります。水滴が残っていると、その部分が錆びる原因になります。
ステップ2:油を薄く塗る
乾いたダッチオーブンの全体に、植物油を薄く塗ります。
ここで重要なのが「薄く」という点です。油をたくさん塗りすぎると、ベタベタした仕上がりになり、均一な皮膜ができません。
キッチンペーパーに油を染み込ませて、表面をなでるように塗るのがコツです。鍋の内側、外側、蓋、取っ手の付け根など、すべての部分にまんべんなく塗りましょう。
ステップ3:余分な油を拭き取る
油を塗ったら、一度乾いたキッチンペーパーで全体を拭きます。
「せっかく塗ったのに拭くの?」と思うかもしれませんが、これがとても大切です。見た目には油がなくなったように見えるくらいでちょうどよいです。この工程を怠ると、加熱時に油が垂れてムラになり、ベタついた仕上がりになります。
ステップ4:オーブンまたはコンロで加熱する
油を塗ったダッチオーブンを、オーブンかコンロで加熱します。
オーブンを使う場合は、180℃〜240℃程度に予熱し、ダッチオーブンを逆さまにして1時間ほど焼きます。このとき、天板にアルミホイルを敷いておくと、滴り落ちた油を受け止められます。
コンロを使う場合は、弱火から中火でゆっくりと加熱し、煙が出始めたらそのまま15〜20分ほど加熱を続けます。煙がかなり出るので、換気は必ず行ってください。
加熱中は、ダッチオーブンが非常に熱くなるので、やけどには十分注意しましょう。
ステップ5:そのまま冷ます
加熱が終わったら、オーブンやコンロの火を止め、そのまま冷まします。
このとき、急に冷やさないでください。急激な温度変化は鋳物にダメージを与えることがあります。自然に冷めるまで待ちましょう。
冷めたら、表面を確認します。しっかりシーズニングができていれば、つやのある黒っぽい色に変わっているはずです。
シーズニングの頻度とタイミング
シーズニングは、基本的には購入時の初期処理として一度行えばOKです。
ただし、以下のような場合は再度シーズニングを行うことをおすすめします。
- 長期間使っていなかった場合
- 錆びてしまった場合
- 焦げ付きがひどくなった場合
- 表面の皮膜が剥がれたように見える場合
また、使用後は毎回軽く油を塗ってから保管すると、錆びにくくなります。これは「メンテナンスシーズニング」と呼ばれ、軽いケアとして習慣にするとよいでしょう。
初心者がやりがちな失敗と対策
せっかくシーズニングをしても、いくつかの失敗ポイントがあります。事前に知っておけば防げるので、チェックしておきましょう。
油を塗りすぎる
最も多い失敗が、油の塗りすぎです。
塗りすぎると、加熱時に油がダマになり、ベタベタしたムラのある仕上がりになります。これでは焦げ付き防止の効果も半減してしまいます。
対策として、前述した「塗ったあとに拭き取る」工程を必ず入れてください。拭き取ったあとでも、目に見えないくらいの薄い油膜は残っています。それで十分です。
高温で加熱しすぎる
高温で加熱しすぎると、油が炭化して粉状の皮膜になってしまいます。
適切な温度は180℃〜240℃です。オーブンの温度が正確でない場合は、少し低めに設定して様子を見ながら調整しましょう。煙が出始める温度が目安になります。
洗剤でゴシゴシ洗う
シーズニング後は、皮膜が徐々に強くなっていきますが、最初はまだ不安定です。
洗うときは、洗剤は基本的に使わず、お湯と柔らかいスポンジで軽くこする程度にしましょう。どうしても洗剤が必要な場合は、中性洗剤を少量使い、すぐに洗い流してください。
ゴシゴシこすると、せっかく作った皮膜が剥がれてしまいます。
水気を残したまま保管する
シーズニングしていても、水気が残ったまま保管すると錆びます。
使用後は必ず火にかけて水分を飛ばし、軽く油を塗ってから保管する習慣をつけましょう。特に蓋の内側や取っ手の周りは水滴が残りやすいので、しっかり確認してください。
シーズニングに関するよくある疑問
焦げ付きが取れてしまったらどうすればいい?
皮膜が剥がれたり、焦げ付きが気になったりした場合は、再度シーズニングを行いましょう。
まずは中性洗剤とスポンジで表面を優しく洗い、必要に応じてスチールウールなどで軽くこすってから、最初と同じ手順でシーズニングをやり直します。
錆びてしまったらどうすればいい?
軽い錆びなら、スチールウールやサンドペーパーで錆びを落としてから、再度シーズニングを行えば復活します。
ただし、深い錆びや穴が開くような腐食がある場合は、修理や買い替えを検討したほうがよいでしょう。
シーズニングに使う油は何が一番いいの?
キャノーラ油やグレープシードオイルがおすすめです。発煙点が高く、ポリマー化しやすい性質があります。
亜麻仁油もポリマー化しやすいことで知られていますが、やや高価です。ラードなどの動物性油脂も伝統的に使われてきました。いずれにしても、オリーブオイルやバターなどの発煙点が低い油脂は避けたほうが無難です。
シーズニング後、表面がベタベタしているのはなぜ?
油を塗りすぎたか、温度が低すぎて油が十分にポリマー化しなかった可能性があります。
その場合は、一度洗い流してから、もう一度シーズニングをやり直すことをおすすめします。今度は油を薄く塗り、しっかりと加熱温度を確保してください。
シーズニングはダッチオーブン料理を楽しむための第一歩
シーズニングは決して難しい作業ではありません。ポイントを押さえれば、誰でも簡単にできます。
最初は煙が出ることに驚くかもしれませんが、それも正常な反応です。しっかり換気をして、落ち着いて作業を進めましょう。
正しくシーズニングされたダッチオーブンは、使えば使うほど味わいが増し、料理がおいしくなっていきます。焦らず、自分のペースでダッチオーブンとの付き合い方を楽しんでください。
さあ、あなたも今日からダッチオーブンを使いこなしてみませんか?

コメント